2010年1月19日火曜日
泥海の中から
ウスユキバトのおこめ♀。彼女は三角関係の悲しい一角である。ほこり♂は選択を迫られた。自分を夢中で好きでいてくれるおこめか、クールビューティーなおみそ♀への片思いか。おこめに傾いてみるも、彼女の愛の形はほこりには理解出来なかった。嫌なら怒ればいいし、それを乗り越えてもっと仲睦まじくいたいのだ。生殺し状態は愛の芽生えさえも枯らしてしまった。おみそは強かった。ほこりのちょっと強引なアプローチを返り討ちにしてしまう。面倒ならどこまでも飛んで逃げていく。ほこりは追いかけたかった。チャンスがあれば何度でも求婚した。フラれ続けるのは面白くない。たとえどんなに彼女が好きでも。諦めかけて、時々おこめに癒しを求めるようになった。ただ追いかけられていたおみそも、いつしかそんなほこりに嫉妬するようになっていた。そうして二人は夫婦になった。子どもがなかなか出来なくて、イライラをおみそにぶつけてしまう。自分に原因があるのかもしれないのに。憂さ晴らしにおこめに逢いにいく。もう一度おみそとやり直すには、お互い頭を冷やして相手に抱く気持ちに正直にならなければ。おこめは二人の関係を見つめ直すための愛人になっていた。彼は私のものにはならないけれど。それでも一緒にいるひと時が愛しい。おこめはほこりを想った。いつか疲れて自分のところに戻ってくる、そのときのために。おこめはほこりが去った後、いつも卵を生んだ。大事に温めたが、いつも無精卵だった。当たり前のことだと、おこめはちゃんとわかっていた。《続く》
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